保育方法の変化から考える税理士の活用方法

近年の保育では、それぞれの個性や興味を大事にする教育方法が増えてきています。

もし税理士を雇うなら、税金の計算だけではもったいないかもしれません。

税理士の仕事には、お金や数字のサポートも含まれるので。

 

近年ふえている保育の方法

日本における教育というと、個人ではなく集団にたいし、一斉に「先生」が何かをすることが多かったように記憶しています。

これは保育でも同じでしたが、近年は次のような考えかたを軸に、これまでとは違う教育方法をおこなう保育園が増えてきています。

  • モンテッソーリ教育
  • レッジョ・エミリア教育
  • シュタイナー教育

 

どんな方法なのか、それぞれを簡単にみていきましょう。

(敬称は略します)

 

モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育は、イタリア人のマリア・モンテッソーリ(1870ー1952)が考案した教育方法です。

「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢をもった人間に育てる」ことを目的としているのですが、「子どもには自分を育てる力がある」ことが前提になっています。

 

子どもを見ていると、「守らなきゃ」とか「教えなきゃ」と思ってしまうものです。

ケガしたり痛い目にあってほしくないですから。

でも、これは大人の考えかたや見かたを押しつけているとも言えます。

そうではなく、子どもの興味ややりたいことに沿って育つように環境を整え、子ども自身で育っていくことを重視するのがこの方法なのです。

 

レッジョ・エミリア教育

レッジョ・エミリア教育は、イタリアのレッジョ・エミリア市が発祥の教育方法です。

子どもには無限の可能性があります。

そして、その可能性は100人いれば100通りのものがある。

その可能性を尊重し、本人の興味や考えを大切にしながら、想像力や表現力を育むことを目的にしているのがこの方法です。

 

なにかを押しつけるのではなく、子ども自身が持っているものを育てる。

そのためには、そういう雰囲気がある環境も大事になってきます。

 

シュタイナー教育

シュタイナー教育は、ドイツ人のルドルフ・シュタイナー(1861ー1925)が考案した教育方法です。

すべての子どもには、それぞれ独自の個性がある。

その個性を尊重し、それぞれが最大限の能力を発揮できるようにすることを目的とするのがこの方法です。

 

ここまでの3つの方法は、すべてなにかを押しつけるわけではありません。

そして、それぞれの個性や興味を大事にするためには、集団ではなく個人をみていなければならない。

このような観点で、近年の保育事情は変わってきているのです。

 

 

教育というと、「最後にはテストがあるもの」とイメージしてしまいます。

そのテストは、往々にして「一つだけの正解」があるものです。

でも、その正解を目指す過程で「正解ではない自分」を捨ててしまう可能性もあります。

「正解ではない自分」が個性だったりするのに。

 

とはいえ、そのテストをくぐり抜けてきたのが税理士だったりします。

そんな税理士ってどうなんでしょうか……?

 

保育方法の変化から考える税理士の活用方法

税理士は、第二次世界大戦がおわり、しばらく経った1947年(昭和22年)から本格的にはじまった制度です。

このあたりから「自分の税金は自分で計算する」仕組みである申告納税制度が導入されました。

それまでは国が税金を計算していましたが、「自分でやれ」といきなり言われても、それはムリでしょう。

そのため、税金のルールを知っている税理士が必要だったのです。

 

つまり、税金の計算をする、あるいはルールを教えるのが税理士の仕事だったわけです。(これは今でも同じですが)

いわゆる「先生」ですが、令和や平成ではなく、昭和の時代の「先生」です。

きっと厳しかったんでしょうね。と同時に、押しつけもあったと想像できます。

昭和の時代では「先生には従うもの」でしたから。

 

相手が税金のルールのときは、従わないと罰金などがでてきます。

なので、ルール通りにやっていた方がよいと思います。

 

いっぽう、税金の計算のベースになる収入や経費・資産や負債といった数字にも、会計のルールが存在します。

「売上はいつ計上するか」とか「減価償却」などのルールです。

この会計のルールに従わないと、罰則がついてくることもあります。

たとえば粉飾して融資をうけたときの詐欺罪のように。

こうしたことは避けなければなりませんが、どんな売上や利益をめざして行動するかは経営者の自由です。

 

税理士は、税金だけではなく会計のルールにも精通しています。

知らなければ税金だって変わってしまうので、数字全般について知っておかなければならないのです。

 

「○○したら、決算書の数字はどう変わる?」

こんな質問を税理士にしてみましょう。

 

今も昔も税理士は「税金の計算をする人」ですが、「どれだけ税金をすくなくできるか」という期待も背負っています。

しかし、基本的に、税金がすくなくなれば手取りのお金もすくなくなります。

 

事業をするのは、お金を稼ぐためではないでしょうか。

だれでも税金は払いたくないものですが、税金はお金をふやすための経費と割り切りましょう。

 

そのお金をふやすための専属コーチが税理士。

こんな風に考えると、税理士の活用方法がひろがるはずです。

近年の保育とおなじように、それぞれの興味ややりたいことをサポートするのも税理士の仕事ですから。

 

まとめ

近年、保育にかぎらず、それぞれの個性や興味を大事にする教育方法が増えてきています。

税理士は経営者の専属コーチのような存在なので、税金だけではなく、お金や数字にかんする質問もぶつけていきましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。