事業はマラソン。給水所へ急いでいないか
事業をしていると、ペースを乱されるものはたくさんあります。
マラソンにおける給水所だって、用心は必要です。
事業はマラソンのようなもの
事業は、ながく続くものです。マラソンのように。
創業者一代かぎりであっても、20~30年くらいは普通に経営しているものです。
もし、後継者がいるなら、もっともっと。
それに比べると、1年度というのは、短いものです。
ただ、その1年度ごとにやってくる決算は、気になりますよね。
融資を受けていたり、なにかの審査をうけるようなときは、やっぱり黒字が求められますし。
それに、できれば税金も少ないほうがよいものです。
こうしたことで、事業に支障があってはいけないのは分かります。
それでも、こうしたことへの興味は、マラソン中に給水所が見えたとたん、そこへ向かって急ぐようなことになっていないでしょうか。
もしそうなら、そこでムダな体力を使っているかもしれません。
あるいは、ペースを乱していたり。
たとえば、利益が大きくなることが分かった途端、ムリにお金をつかって利益をへらす。
すると、とうぜん税金はすくなくなります。
でもお金のことを考えると、そうしないほうが、残るお金はおおいのです。
いつものペースを変えて給水所へ急ぐことは、その後のためには、よくない可能性があるのです。
必要な意識
事業を続けていくためには、ずっとお客さまを見つけていかなければなりません。
将来のお客さまにも喜んでもらう。
そんな視点や考えかたも、必要なわけです。
あるいは、事業を自分の子どもに見立てることもできるでしょう。
であれば、自分が病気などになったときのための保険や貯金もしておくはずです。
事業は、マラソンのように目に見えるゴールはないかもしれませんね。
自分のやりたいことや欲しいものなどは、変わることもありますし。
そして、毎日毎日が、大変なこともあります。
なにかトラブルでもあれば、ダッシュしている感覚になりますもんね。
それでも、将来に向けて…という意識も必要かもしれません。
手を抜くのとは違いますが、ペース配分というか、設定のような。
分刻みのスケジュールじゃなくて、つぎの日曜日にはどこどこで遊ぶ…くらいの意識が。
なぜなら、事業は続いてこそ…というものだからです。
経営者の仕事
事業の目的が「続けること」と聞くと、消極的におもえるかもしれませんね。
でも、続けるためには、利益をだして、お金が足りなくならないようにする。
なんだかんだ、お金が命ですからね。
事業をストップさせないためには。
いろんな商品やサービス。
マーケティングや個々の営業。
ふだんの維持管理的なこと。
こうしたことはすべて、必要なお金を確保するためだったりもします。
攻めている意識もあるでしょうが、結局は、お金が足りなくなって事業がストップすることを回避するのが目的ということもできるのです。
ということを集約すると、経営者の仕事は「事業を潰さないこと」といえます。
そのために、先をみて、事業の態勢がくずれていないか。
自分のペースが乱れていないか。
そんなことを、いつでも気にしておく必要があるのです。
本当にいざという時のためにも。
事業はマラソンのようなものです。
決算についても、あらかじめ「次のカーブを曲がれば給水所が見えてくるはず」くらいの意識を持てるようにしておきましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。