財布がパンパンになったときに経営者が困ること

事業をしていると、ついついレシートを貯めがちです。

でも、貯めると困ることもあるのです。

 

財布はパンパンになりやすい

財布には、お金以外にも、結構いろんなものがはいります。

その中でも、レシート。(もちろん領収書も)

これを貯めていると、1か月もしないうちに財布はパンパンになってしまいます。

 

事業をしていれば、レシートは経費の証拠になるものです。

うっかり捨ててしまえば、その経費も計上することができません。

なので、ついつい貯めがちに…

財布はパンパンになりやすいわけです。

 

ただ、パンパンの財布は、だれかに見られたときに、ちょっと恥ずかしいもの。

また、レシートも貯めすぎると困ったことになる…ということを確認しておきましょう。

 

レシートを貯めすぎると経費で困る

貯まったレシートをもとに会計ソフトの入力をするとき、次のことで困ってしまいます。

  • 内容を忘れる
  • 印字が薄れる
  • レシートがクシャクシャになりやすい

 

内容を忘れる

そのレシートが何だったのかは、意外に忘れやすいものです。

たとえば、1週間前に食べたものって、すぐに思いだせるでしょうか…?

 

ある支払いを経費にするには、つぎの情報が必要です。

  • モノやサービスなら……いつ・何につかったのか
  • 飲食なら……だれと・何のためにつかったのか

 

もし、こうした情報を、翌日あるいは2~3日中に整理しておけば、経理はスムーズにすすみます。

レシートの裏にメモしておく…といった感じで。

 

「貯めておいて、後でやる」というのは、いっけん効率的におもえてしまうかもしれませんね。

でも、決してそうではないのです。

「思いだすのに時間がかかる」ので。

 

すると、ほんらい経費じゃないものが、経費になる。

ぎゃくに、ほんらいは経費のものが、経費になっていない。

こんなことも起こってしまいます。

「小まめにやる」ことと引きかえに、「損する」可能性もあるのです。

 

印字が薄れる

レシートは、保管状態によっては、意外にはやく印字が薄れてしまいます。

とくに「日付け」は小さいこともあり、はやめに消える印象です。

 

レシートは、そのとき貯めていたもの同士が、合体しているというか、一塊になっていることが多いです。

なので、日付けは、なんとなく想像がつくこともあります。

その塊りが、〇月〇日~△月△日までなんだろうな…という推測により。

(これで良いわけではないですよ…)

 

いっぽうで、そのほかの要素「お店や品名・内容・金額」が消えてしまうこともあります。

すべてではなく、一部だとしても。

これは、困ります。

金額がみえない…など、ものによっては、アウトですから。

 

レシートは、日光や水分に弱いです。

ためていたもの全体に、うっかりコーヒーでもこぼしてしまえば大変です。

箱や引出のなかで、保管しておきましょう。

 

レシートがクシャクシャになりやすい

レシートをためるとき、最初のほうはスッと財布にはいります。

でも、だんだんとスペースがなくなっていくので、最後のほうはギュッとやらざるを得ません。

すると、クシャクシャになりがちです。

 

レシートって、結構いろんな形になれるのです。

曲がるのはもちろん、「どうしたらこんな形になるんだろう…」というクイズのようなことにも。

 

これで困るのは、会計ソフトに入力するときです。

曲がったり、形がかわったレシートって、重ねていくと動くんです…

 

そもそも「貯まっている」前提です。

くわえて、いろんな形になっているので、積み重ねることができず、場所をとるのです。

また、曲がったりしたレシートは、片手でひろげるのが難しいものです。

一つずつ、ひろげて、伸ばして…としながら入力をすることになるのです。

 

やっぱり、かえって時間がかかることになります。

面倒でも、たまらないうちに保管場所にいれておくことで、将来の時間が節約できます。

 

ここまでは、経費をかんがえるうえでの問題をみてきました。

最後に、もう一つ問題があることを確認しておきましょう。

 

なにを頼りに経営するか

財布がパンパンになる。

そのたまったレシートは、会計ソフトに入力されていないはずです。

とうぜん、「今」の利益は分からないことになります。

 

…というと、大袈裟に感じるかもしれないですね。

財布にためられるレシートは、そこまで大きな金額にはならないかもしれないですし。

なので、利益への影響も大きくはならない。

 

でも、今どうなっているか知らずに、お金をつかうこと。

これは、経営としてどうでしょうか…

金額ではなく、姿勢の問題です。

というのも、姿勢をかえるのは大変なこともあるので。

 

わたしが税理士だからということもありますが、パンパンな財布をみると、整理されていないな…経理をしていないな…いまの利益をみていないな…じゃあ儲からないんじゃないか…なんて考えてしまいます。

儲けるためには、なにかが上手くいっていないとき、すぐに手を打つ必要があるので。

実際に行動するかはともかく、頭のなかでは対応を始めなければいけないので。

…という姿勢が必要なのです。

 

財布がパンパンになっていないか、気をつけておきましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。