売上の内訳をグラフにすると判断の役に立つ
数字は、決算書や試算表だけで見るものではありません。
それぞれの科目の、内訳も必要なのです。
そのとき、数字の羅列よりグラフのほうが役に立つかもしれません。
売上をどうするかで悩むことも多い
事業でお金を稼ぎたいなら、利益をあげなくてはなりません。
売上ではなく、利益のほうが大事なのです。
どんなに売上がたくさんあったとしても、それ以上の経費がかかってしまえば、赤字ですから。
すると、お金も減ってしまう。
とはいえ、売上がゼロなら、とうぜん利益がでるはずもありません。
やっぱり、売上は重視しなければならないのです。
利益をだすための大前提として。
なので、売上をどうやってあげるか・増やすか…で悩むことも多いはずです。
そのときに決算書や試算表を見ても、役に立たないことがあります。
これらの書類には、合計しか載っていないので。
その合計だけを見ても、誰に・なにを・どうやって売るか…は見えてきません。
売上を増やすための方法も、見えてこないのです。
たとえば、売上が「4,000」だったと聞かされたとしましょう。
それから、その売上の内訳がつぎのとおりだったと聞かされたら、どう感じるでしょうか。
商品 A | 商品 B | 商品 C | |
1月 | 300 | 450 | 100 |
2月 | 1,400 | 400 | 200 |
3月 | 300 | 450 | 400 |
合計 | 2,000 | 1,300 | 700 |
自分がやってきたことが、すこし見えやすくなると思います。
すると、「じゃあ、どの商品を、どれくらい、どうやって売るか」も考えやすくなるはずです。
このとき、数字の羅列ではなく、グラフにすると、もっと見えやすくなるかもしれません
グラフだと見えやすくなる
先ほどの内訳を、もういちど見てみましょう。
合計に着目して。
商品 A | 商品 B | 商品 C | |
1月 | 300 | 450 | 100 |
2月 | 1,400 | 400 | 200 |
3月 | 300 | 450 | 400 |
合計 | 2,000 | 1,300 | 700 |
いちばん売れているのは「商品 A」です。
売上の合計「4,000」の、50%も占めています。
そこで、「今後も、Aで頑張っていこう…」となるかどうか。
グラフにすると、月別の売上はつぎのようになります。
「2月は、なんでこんなに多いのか…」
当然、こう感じるはずです。
そして、その理由によっては「A」ではなく、ほかの商品で頑張る気になるかもしれません。
合計だけに捕らわれると、ちょっと違う方向へ行ってしまうのかもしれないですね。
いっぽう「商品 B」は、つぎのとおり。
安定しています。
そして、「A」と照らし合わせないと見えにくいですが、2月をのぞけば、いちばん売れている商品です。
いわゆる定番なのでしょう。
裏を返せば、絶対に手を抜いてはいけないところかもしれません。
この「B」が、事業の屋台骨かもしれないので。
最後に「商品 C」も見ておきましょう。
売上としては、いちばん少ないのが「C」です。
でも、よく見てみると、売上は順調に増えてきています。
そして、3月は、定番であろう「B」に追いついています。
今後はどうなんでしょう。未知数といえます。
もしかしたら、やり様によっては「B」を追い越すかも…
売上を合計だけでみるのではなく、内訳に解きほぐすことで、こうしたことも見えてきます。
そのとき、グラフにすると、もっと把握しやすいはず。
数字をじろじろ見るのではなく、パッと見でつかめるので。
この内訳やグラフをつくるには、こまかい資料や経理の手間も必要です。
せっかく作った資料が、そうした手間に見合うかどうか…疑問かもしれませんね。
でも、いざ売上を改善しようと思ったときは、少なくともここまで書いてきたようなことをやる…と思っておきましょう。
ちなみに、Excelでグラフを作るのは簡単です。
まず、次のようにExcelで表をつくります。
それから、「Ctrl」キーを押しながら、グラフに盛り込む数字の範囲を指定します。
その後、「挿入」タブのグラフのところから、お好みのものを選ぶことができます。
そんなにパソコンに詳しくなくても出来ます。
まずは売上の内訳がどうなっているかを、表にしてみることから始めましょう。
まとめ
数字は、決算書や試算表だけで見るものではありません。
内訳がわかる資料があると、さらに判断の役に立つのです。
数字の羅列に慣れていないうちは、グラフにもしてみましょう。
自分には見えていなかったものが、見えてくることもあるかもしれないので。
もし、数字も判断の根拠にできるなら、自分がやってきたこと・これからやることの確信も変わってくるはずです。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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