誰かがゴミを捨てると他の人もそこに捨てる、の背景にあるもの

ゴミが落ちていると、不思議なことに他の人もゴミを捨てはじめます。

「まあ、いいか」と。

この感覚には、ときに用心が必要なこともあります。

 

誰かがゴミを捨てると他の人もそこに捨てる

ときどき、「やけにゴミが捨ててあるな…」という場所があります。

  • ゴミ箱がない自販機のちかくに、空き缶がズラッと並んでいる…
  • 地べたに、タバコの吸い殻がやけに落ちている…
  • 住宅街のなかを流れている川に、空き缶やゴミがたまっている…

 

いまは、おおくの所でゴミ箱を置かないようになっています。

たしか、テロ対策だったような。

また、ゴミの回収にコストがかかるということもあるでしょう。

 

なので、手元にゴミがあるとき、「邪魔だな」と思う気持ちも分からなくはないです。

ゴミ箱がなければ、家まで持って帰らなくてはいけないので。

ものによってはかさばるし、空き缶ならモレてくるし。

 

そこに、ほんらいは捨ててはいけない場所なのに、たまたま誰かが先にゴミを捨てていれば、「じゃあ、自分もちょっと…」と思いたくなるのもわかります。

赤信号、みんなで渡れば怖くない…的な。

 

もし、ゴミ捨てがバレると罰金「100万円」となったら、きっとゴミを捨てることはないでしょう。

現実には、ゴミの不法投棄がおこっていますけどね…

ただ、ゴミ捨てをチェックする人が、そこらじゅうにいるのなら、捨てないと思うのです。

バレたら、痛いですから。

 

今はこのような縛りがない以上、ゴミ捨てのハードルは低い…といえます。

ゴミを捨てるくらいだったら、「まあ、いいか」と。

 

「まあ、いいか」はいろんな所に潜んでいる

「まあ、いいか」は、ゴミ捨てにかぎらず、いろんな場面ででてきます。

  • やった方がいいんだけど、「まあ、いいか」
  • やらない方がいいんだけど、「まあ、いいか」
  • やらなくてはいけないんだけど、「まあ、いいか」
  • やってはいけないんだけど、「まあ、いいか」

 

「まあ、いいか」と流した結果、自分が痛い目にあうことがわかっていれば、やる(又はやらない)はずです。

ぎゃくに「まあ、いいか」と流すのは、痛い目にはあわないだろう…というケースがほとんどだと思うのです。

 

ただ、なかには結果が分からない・知らないケースもあるかもしれません。 

 

たとえば、経理。

ほんらい経理は、自分のためにやるものです。経営管理のために。

でも、本業が忙しいと、「やった方がいいんだけど、まあ、いいか」となりがちです。

とりあえず税金の申告さえやっておけば、クレームがくることも基本的にはないですし。

 

もし、事業がそのまま順調にいくのなら、それもアリなのかもしれません。

経理は、事業でトラブルがおこらないようにするのが、目的の一つでもあるので。

 

いっぽう、気がついたらお金が足りなくなり、にっちもさっちもいかなくなることもあります。

(現実に、倒産する事業もあるわけですので…)

こんなときは、「経理をちゃんとやっておけばよかった…」と思うはずです。

 

「まあ、いいか」と流した結果は、実際に体験してみないと分からないこともあるのです。

その結果を予告するのも、税理士の役割ですが、このとき「まあ、いいか」が敵になってきます。

というのも、「まあ、いいか」も積み重なると、習慣になってしまうので。

 

習慣というのは、なかなか変えることができません。

そして、あたらしい習慣をつくるのは、それ以上に大変です。

「まあ、いいか」というのは、ときに怖いものでもあるのです。

 

「まあ、いいか」も自分で決める

結局のところ、自分の人生は、自分できめていくものです。

「まあ、いいか」も。

 

でも、「まあ、いいか」と流すまえに、いちどは体験してみましょう。

やってみなければ分からないことも、ありますから。

 

ただ、残念なことに、体験したからといって、すぐに結果がわからないこともあります。

 

ものごとは、閃きひとつでガラッと変わることもありますよね。

たまたま・偶然・運…などがそうです。

 

いっぽうで、地道なつみかさねが必要なこともあります。

たとえば、植物のように。

植えた次の日に、いきなり実がなっているなんて、ないですよね。

まいにち水をやり、肥料もやり、徐々におおきくなっていきます。

それから花が咲き、そのあとで実ができる。

「まあ、いいか」の結果は、これぐらい待たなければ分からないこともあるのです。

 

事業をしていると、やっぱり結果はすぐに欲しいものです。

でも、すぐに結果がでないからといって「まあ、いいか」と流してしまうと、手に入らない結果もあります。

もちろん、すべてのことを追いかけることはできません。

お金も時間も限りがあるので。

 

こうしたことを前提に、それは本当に「まあ、いいか」なのか、考えておきましょう。

いちど習慣になってしまうと、戻ってくるのは大変です。

ときには、手間や面倒も乗りこえていく必要があるのではないでしょうか。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。