決算書や試算表が読めないときは税理士に聞くのが早い

経営者なら、数字が分かって当たり前…ではありません。

分かるようになるための一番の近道は、聞くことです。

 

「決算書などが読めない」は会話から分かるもの

簿記を知らないと、決算書や試算表はとっつきにくいものです。

「見ても、よく分からないんだよね…」

こんな思いを抱えている経営者は、すくなくありません。

 

大人になると、子どものときのように、なぜかスッと「分からない」が出てこないこともあります。

すると、「分からない」がどんどん溜まっていきます。

「分かった方がよい」とは思いつつも、なかなか最初の一歩が踏み出せないこともあるでしょう。

 

でも、「分からない」ことは、ふだんの会話から分かることでもあるのです。

また、経理の資料の準備のしかたからも、分かったりします。

もし分かっていれば、出てくるはずの反応・あるはずの資料というものがあるからです。

 

たとえば、黒字なのに、お金がへっているとき…

黒字なら、とうぜんお金はふえるもの…と思うのが普通です。

すると、「なぜ…?」という疑問が出てこなければなりません。

あるいは、「お金がへっているんだから、赤字じゃないの…?」と。

 

会計のルールを知っていれば、黒字でもお金がへることがあり得るのはわかります。

でも、そのときは「○○だからお金がへるんだね…」という答えを持っているはずです。

このあたりのことが、会話から分かるのです。

 

いっぽう、資料の整えかたから分かることもあります。

ある数字の裏付けには、領収書や口座履歴にある1つの数字ではたりないこともあるからです。

決算書などにある数字が、どんな資料からきているのか…?

これを知らなければ、読めないのも道理といえそうです。。。

 

ただ、「分からない」を抱えこむ必要もないのです。

 

決算書などが読めないときは

税理士も、会話やメールのやり取りから「分かってないかもなぁ…」ということは分かります。

とはいえ、「分からない」ことを見殺しにしているわけでもないのです。

おそらく、説明を聞いたり、図やグラフなどを目にしたこともあるのではないでしょうか。

 

でも、そうしたものを見ても、ピンとこないこともあるでしょう。

「なるほどね…」とは思いつつも。

 

こうしたことが起こるのは、じつは会話が足りないからです。

会話が足りないのに「分からない」があるとき、税理士側では次のようにかんがえます。

  • なにが分かれば、分かるのだろうか…

つまり、説明や図などは、推測にもとづいているのです。

 

もし、時間が無制限にあるのなら、すべてについてゼロから説明を重ねていけばよいわけです。

でも、時間には制限があります。

なので、あるていどピンポイントのところを狙わざるを得ないのです。

 

となると、結局は推測にたよることになります。(100%とは言いませんが…)

その推測があたればよいですが、外れることもあります。

 

もし、決算書などが読めないことが気になるなら、「分からない」と税理士に聞いてみましょう。

それが、いちばんの近道です。

 

それから、次のようなことを出発点に、ひとつずつ知識や経験を積みあげていきましょう。

  • お金は足りなくならないか
  • どれくらいの利益や売上が必要か
  • 決算書などは、どこを見るべきか

 

経営には、頑張ることも必要です。

ただ、ときにそれが空回りすることもあったりします。

もちろん、空回りすることも経験としてはアリですし、それが役に立たないと言えるわけでもありません。

 

でも、数字も役に立つものです。

決算書などが読めないことを放置するのは、もったいない…といえるのです。

せっかく税理士がいるのなら、待つのではなく、自分から聞いてみましょう。

 

「恥ずかしい」「そんなことも知らないの?」

なにかを聞くときに、「恥ずかしい」と思うこともあるかもしれないですね。

知らないことが恥ずかしい…という風潮や、そういう界隈がありますから。

ときに「そんなことも知らないの?」なんて言われたり…

 

でも、どんな経営者もゼロからスタートします。

知らないのが当たり前の状態からはじめるわけです。

 

「恥ずかしい」や「そんなことも知らないの?」を避けるには、独りで、すでに知っている状態にしなければならないのか…?

あるいは、コッソリ聞く…

なんかバカげているように思えます。

 

こうしたモヤモヤのようなものを抱えるよりも、スパッと聞いて、前に進むようにしましょう。

税理士は「知らないことが分かるようになる」のに一役買えたとき、達成感を感じるものですから。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。