質問に質問でかえすのは失礼か
質問にかくれているホンネが出発点になります。
それがズレていれば、でてくる答えもズレたものになるのが道理です。
答えはすぐに欲しいもの
質問をするときは、すぐの答えを期待するものです。
打てば響くような。
そして、自分のしらない落とし穴も教えてくれるような。
答えの前になが~い前置きがあったり、なにかがズレてたりすると、すこし残念な気分にもなったりします。
気になっていることがあるときは、「早く…!」って思いますし。
ネットで検索しているときなんかも、そうですよね。
気になっていることに関係がなさそうなものは飛ばし、読むにしても、そんなに長い時間はかけられない。
気になることは、なるべく早く解決したいですから。
それに、なにかしら疑問があるときは、それ以外のものは目に入りにくいものです。
もし、時間をかけるなら、それは自分の期待に沿う可能性があるもののはず。
答えに近づいている感じがするので。
たとえば、つぎの質問は、おおくのかたが気になるところだとおもいます。
- 税金をへらす方法はない…?
もし、「すぐに」答えるのなら、つぎのようになるでしょう。
- ○○という方法はどうでしょう。△△もいいかもしれないですね。あるいは……
でも、これは本当に答えていることになるのか、疑問がのこることもあります。
理由により答えは変わる
税金をへらしたい理由って、なんでしょう。
きっと、いろいろあると思います。
- 損した気分になる
- ムダづかいされたくない
- だれかが何とかするはず
- お金がへるから
- 過去にうんざりするほど払ってイヤな思いをした
- せっかく事業がうまくいっているのに水を差さないでほしい
- お金をつかう予定がある などなど
じつは、さきほどの「税金をへらす方法はない…?」の答えは、「なぜそう思ったのか」により変わります。
たんに「イヤだから」なのであれば、税金をはらった残りで問題がないかお聞きしつつ、法律に違反することで待っている結末を伝えることになるかもしれません。
もし「お金がへるのがイヤ」なのであれば、「税金がふえれば手取りのお金もふえる」事実をつたえ、より黒字にするには数字のどこに問題がありそうか…、かえって税金をふやすような相談にのっているかもしれません。
あるいは、「今後お金が必要」なのであれば、「なぜ今お金が足りないか」から始まり、お金を都合するための計画を一緒にたてるかもしれません。
もし、税金をへらす具体的な方法を「すぐに」答えていれば、上のようなことにはならない…
根本的な問題は解決しないはずなのです。
…ということがあるので、「税金をへらす方法はない…?」と聞かれたときは、「なぜ税金をへらしたいのですか?」と聞いた方がよいのではないかと思うこともあります。
質問に質問でかえすのは失礼…といったりしますが。
いちおう、質問に質問でかえす理由をまえおきしてから、「なぜ税金をへらしたい…?」という余地もあります。
でも、それはそれで、どうなんでしょうね。
ここまで書いてきたことを伝えるわけなので、長すぎやしないか…と。
出発点をあわせるのが大事
質問に質問でかえすのは、出発点をあわせるためです。
この出発点がズレていれば、でてくる答えもズレたものになります。
ズレた答えであっても、表面的には、なにかが解決した…とおもえるかもしれません。
でも、しばらくしたら、また同じことが気になっているでしょう。
出発点である根本的なものが、解決されていないので。
ある疑問について、「なぜそう思ったのか」は、とても重要なのです。
お金のはなしは、一般におおっぴらにはしないものです。
でも、そのお金自体もふくめ、税金や数字のはなしでは、ホンネが出発点になることを知っておきましょう。
それも、自分がしらない落とし穴や盲点をみつけるキッカケですから。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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