将来の数字を予想すると得られるもの
将来の数字を予想したとしても、その通りにいくとは限りません。
ゆえに、意味がないもの…と思いがちです。
でも、それは違うのかもしれませんよ。
将来は分からない
自分の事業について、将来の数字を予想しているでしょうか…?
予算や目標とよんだりするもの、あるいは決算予測、このままいけばどうなるかという数字…など。
呼びかたや内容はなんでもよいのですが、ともかく将来の数字を。
こうしたものを作るのは、けっこう手間がかかります。
くわえて、作ったところでその通りになるとは限らない。
むしろ、その通りにいくほうが、少ないのが現実かもしれませんね。
だから、作ることに意味はない…と感じるかたも多いのでは。
結局のところ、将来なんて、どうなるかは誰にも分からないですしね。
ところで、おなじ将来でも、スポーツだったらどうでしょうか。
将来、つまり試合の結果を予想、あるいは「こうなって欲しい」という数字をもっていないでしょうか。
それを初めて観るときや、ルールが分からないとき。ぼんやりしていたときにテレビをつけたらたまたま知らないスポーツをやっていた。
こんなときは、試合の結果も予想しようがないですよね。
でも、そのスポーツや選手、国籍や地域、知り合い…などなど。
なにかしらの興味があれば、ほぼかならず、自分の興味があるほうに「勝って欲しい」とおもうのではないでしょうか。
そして、そのときには試合結果を、なんとなくの数字で予想・希望したり。
さらには、どんな方法で勝つか…の想像なども。
将来なんて分からないのに。
もちろん、将来の数字を予想しないのは、自分の事業に興味がないから…とは思っていませんよ。
将来の数字をつくるのが、どれくらい大変か分かっていますから。
時間をつくり、頭をひねって数字をつくるのは、けっこうなハードルです。
くわえて、スポーツのように周りから観ているだけなのとは、重みが全然ちがうものですからね。
さらに、手間や時間をかけたところで、その通りにはいかない…と。
ただ、将来のことを考えるなら、それなりに得られるものもあることを知っておきましょう。
将来の予想をすると得られるもの
- ルールを知ることができる
- 現実との乖離に気づく
- 達成または成長
ルールを知ることができる
将来の数字をつくるためには、会計のルールを知らなくてはなりません。
その会計のルールを知らないと、「決算書が読めない」などという悩みにもつながったりします。
そこで、「じゃあ、まずはルールを知るところから…」となりがちですが、それは違ってもよいのでは…?
ルールを知るのは、つまりインプットのこと。
そして、数字をつくるのは、アウトプットです。
おおくの場合は、インプットしてからアウトプット。
でも、アウトプットに必要なものから逆算してインプットする…という方法もよいと思うのです。
ルールを知る・覚えるのは、特段の興味がなければうんざりするものです。
なので、なかなか身につきにくい。
でも、なにかを身につけるための最短の道は、それをつかうこと。いじること。
つかいながら身につけていくのが効率的なこともあるのです。
将来の数字をつくっていたら、会計のルールが身についていた。
こんな風になることも、ありそうですよ。
現実との乖離に気づく
将来の数字をつくったら、その後には現実との照らし合わせをします。
そこで、予想と現実との乖離に気づきます。
この乖離には、いろんな原因がふくまれています。
良い方向、悪い方向のどちらにズレた場合であっても。
その原因は、予想していなかったら気づかなかったものかもしれません。
すると、予想していなかったときよりも、早く手を打つことができます。
また、予想と現実の照らし合わせは、過去の自分を、いまの自分が採点するようなもの。
自分が、自分の先生になるような感じですね。
視点が二つになるような感じともいえるかもしれません。
その過程で、過去の自分ではみえなかった落とし穴や盲点に気づくことがあったら、得難いものではないでしょうか。
予想と現実には、ほぼかならず乖離があります。
その乖離こそが、重要だったりするのです。
達成または成長
もし、予想したことがその通りにいけば、嬉しいですよね。
そのときには、達成感が得られます。
ただ、予想の通りにいくことは、少ないかもしれませんね。
そんなときは、もしかしたら達成感は得られないでしょう。
ひょっとしたら、「やらなきゃよかった」とも。
でも、もし予想をして、現実と照らし合わせ、ズレがあるなら予想をやり直し、また現実と照らし合わせ…というような運用をするなら。
その過程で、成長を得られるかもしれません。
いちど予想すれば、その数字はなんとなく気になるものです。
その数字よりよい結果になれば、もしかしたら「もっと」という欲がでるかも。
いっぽう、その数字よりも利益がすくなければ、残念な気持ちになるかも。
どちらにしても、気持ちや行動に影響があるはずなのです。
自分の行動を、自分だけで変えるのって、ときに大変です。
でも、もし変えたいなら、自分自身の力だけではなく、環境が変えてくれることもあります。
その環境のひとつに、将来の数字の予想もふくまれるのです。
それを利用しているうちに、気がついたら成長していた…ということもあるかもしれないですよ。
まとめ
将来の数字を予想したところで、その通りにいくとは限りません。
でも、その数字をつくる過程で、会計のルールが身につく。
現実との照らし合わせをすれば、予想との乖離の原因に気がつき、行動が変わる。
さらに、照らし合わせにおうじて予想のやり直しをすれば、なにかしらの成長につながる。
予想をすることには、こんな効果が期待できるのです。
会計のことを、あまり難しく考えないようにしてみましょう。
最初は、スポーツの試合結果を予想するようなものでもよいですから。
大事なのは、繰り返すことです。
繰り返しをしないのに身につくものって、あるでしょうか…?
それが大変なほど、得られるものが多いのも道理だと思うのです。
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