経理をしない会社はカーナビがない車と同じ
カーナビでは、現在地と目的地が表示されることが、とても役に立ちます。
この点は、経理も同じなのです。
カーナビを買うか
いまやカーナビは、標準装備といっていいほど、ほとんどの車についています。
カーナビ用のスペースもありますし。
そのカーナビでは…
現在地から目的地の経路がわかる。
渋滞情報がわかる。
駐車するときに、車後ろのカメラも見ることができる。
いちど付けてしまうと、もう無しには戻れないのではないでしょうか。
もしカーナビが無ければ、頼りにするのは地図のみです。
渋滞は、現地へ行きつつ、スマホなどで調べる…でしょうか。
駐車するときは、目視で。
こうしたことに慣れていれば、そう負担には感じないかもしれないですね。
かつては、それが当然でしたし。
でも、いちど知った後では、おそらく面倒に感じるはず。
そんなカーナビは、会社における経理に例えることができます。
とくに、現在地と目的地がわかるという点において。
経理はカーナビ
決算書や試算表などの数字は、会社の現在地または過去にいた場所をあらわすもの。
こう言うことができます。
もちろん、会社のすべてが数字であらわれるわけではありません。
商品やサービスに魅力があったとしても、それが伝わらなければ、売上や利益といった数字にはあらわれないこともあります。
働いているときの気持ちなんかもそうですね。
たとえ雰囲気が良くても、やはり伝わらなければ、お客さまを引き付ける要素にはなりません。
数字以上の実力がある。
あるいは逆のことも。
こうしたことは、数字だけをみても分からないのです。
もしかしたら、肌感覚のほうが頼りになるかも…?
とはいえ、会社の目的には、お金を稼ぐこともふくまれます。
そのお金は、数字で表現されるもの。
であれば、数字と付き合っていくのは避けて通れないはず。
お金を大切にすればするほど。
現在地を知るのはそう難しくない
決算書など、会社の数字をつくるには、時間もかかります。
厳密に現在地を知るなら、数字はその日のうちにできなければならない…
これは、きっと難しいはずです。
もしやるなら、本業が終わった後、毎日経理をすることになりますから。
でも、たとえばある月の数字が、翌月上旬にはできあがる。
これくらいなら、経理専門のかたがいない会社にとっては、許容範囲といえます。
もし、数字ができあがるのが2か月後とかになるなら、それは完全に過去のもの。
1~2か月もあれば、数字はだいぶ変わるでしょうから。
ヒトの異動やモノの購入などもあるなら、もっと。
会社の現在地を知るだけでも、もしかしたらハードルは高いかもしれませんね。
そこには、現在地を知ってなんになるの…?
こんな疑問もあるかもしれません。
よほどお金、資金繰りに困っているなどの事情がなければ、当然の疑問ともいえます。
というのも、現在地を知るのは、目的地のためですから。
目的地を知るのは難易度高め
現在地と目的地の距離。
これを知ってはじめて、「じゃあ、今後どうしよう」という気持ちが生まれます。
実際に車を運転するときでも、経路を考えますよね。
いつくらいに着けるか、あるいは寄り道なんかも。
それは、会社の経営にとっても同じことなのです。
その目的地とは、自分がやりたいことが出来たときの状態を数字であらわしたもの。
あるいは、何かあっても会社が困らないだけのお金はいくらか。
新しいことを始めるなら、どれくらいの利益が必要か。
人を雇うなら、どれくらいの売上が追加で必要か。
設備投資をするなら、どれくらいの借り入れが必要か。
などなど、いろんなことが目的地になり得ます。
ただ、どれも将来の数字です。
予想や予測にすぎないものの、架空のようなものでは困る。
それでは、たどり着けない目的地ですから。
目的地を数字であらわすのは、難易度が高めです。
というのも、経営者の頭のなかにあるものを、数字に置きかえる作業が必要だからです。
現実で、なにか欲しいものがみつかるときや目的を持つときって、どんな感じでしょうか。
見た瞬間に、「いいな」と思って欲しくなる。
気がついたら、欲しい気持ちをもっていた。
だれかがやっているのを見て、「じゃあ、自分も」と触発される。
こうした気持ちは、おそらく、とつぜん湧いてくるようなものではないでしょうか。
将来の数字とは、こうした気持ちを数字であらわしたものなのです。
なので、基本的には、いまの延長線上にはないもの。
また、最初はとても漠然としたもの。
それを、すこしづつ具体的にしていきながら、数字に置きかえる。
そこには、とうぜん簿記の知識も必要です。
また、あるていどは現状をふまえたものにも、現実的には、しなくてはなりません。
ということが前提ですので、将来の数字、つまり目的地を設定するのは難し目なのです。
でも、もし現在地と目的地が見えていたらどうでしょう。
「今後どうするか」は、きっと変わるはず。
ときには、経路を考えるのが面白いこともあるでしょう。
時間に余裕があれば、道中にも、別の楽しみがありますし。
残念なことに、こうしたことは、いちどカーナビを使ってみなければ分からないのかも。
そして、いちど使えば、前にようには戻れなくなる。
経理、数字には、そんな一面もあるのです。
まとめ
経理は、車のカーナビのようなものです。
ただ、カーナビのように、お金を払えばすぐに手に入るものではありません。
時間、そして頭もつかう必要があるのです。
その点、ハードルが高く感じるかもしれないですね。
でも、いちど使ってみれば、カーナビと同じく、前には戻れないようになるはずです。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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