会計がつまらないのはなぜか

つまらないのは、会計の先にあるものが不明だからです。

会計は、それを上手くやるための手段です。

 

義務だから

税金の申告は、憲法や法律でも定められているとおり、義務です。

その申告をするためには、会計もやらざるを得ない。

 

税金のベースとなる利益を計算するには、単調ともおもえる作業の積みかさねが必要です。

とつぜん、利益は出てきませんから。

 

税金の必要性は、理屈では分かっているものの、だれでも、できれば払いたくないもの。

買い物のような、直接なリターンを感じにくいですし。

そんな税金を払うために会計が必要となれば、それはつまらない以上のものですよね。

苦行…と。

 

でも、もし税金を計算するのが、役所だったらどうでしょう。

こちらの意見がまったく聞かれない状況で。

しかも無理やり。

かつてそんな時代があったことは、歴史書などに書いてある通りです。

 

自分の税金を、自分で計算できる。

これは、権利ともいえます。

それを行使しないのは、もったいないはず。

 

とはいえ、権利と聞いたところで、「つまらない」が解消することはないかもしれませんね。

やらなきゃいけない感は、残るので。

自分から進んでやりたいことでなければ、どうしても「つまらない」は残るものです。

強いられるという点で、すこし勉強に似ています。

 

勉強に似ているから

勉強も、「つまらない」を感じるもの。

そして、税金とおなじく、中学校までですが義務です。

 

もしかしたら、点数がつくところにゲーム性を感じ、楽しいと思えるかたもいるかもしれませんね。

でも、それは勉強の本来の目的ではないはず。

勉強は、あることについて知識を身につけ、理解し、自分の役に立てるようにすることですから。

 

でも、学校での勉強は、何の役に立つのかが不明なものがたくさん。

いっぽうで、知らなかったら怖いものもありますけれど。

 

ただ、「つまらない」の根っこには、何の役に立つのか分からないから。

これが、あるのではないでしょうか。

 

勉強から一旦はなれて、遊ぶことを考えてみましょう。

遊びは、やって楽しいからするもの。

でも、遊んでいても、上手くいかないことはあります。

 

それでも、楽しい。

そして、上手くできるように「勉強」しているはずです。

上手くいかないところを調べ、原因におうじた知識を身につけ、自分なりの改造をしたり。

遊ぶときの勉強は、遊びがより楽しくなる…という役に立つわけです。

 

すこし話が飛びましたが、勉強は手段なのです。

先にやりたいことがあり、それが上手くいかないから勉強が登場してくる。

かならずしも楽しいだけではなく、ツライとか止めたくなるときもあろうかと思います。

 

でも、勉強の先には、何かがある。

そんなときは、「つまらない」とはならないはずです。

もし勉強をしていないなら、将来にやりたい・欲しいなどが何もない…とさえ言えるのかも。

 

そして、これは会計も同じです。

会計も、手段なのです。

事業をとおして、自分のやりたいことを実現するための。

 

ただ、そのための手段は、会計だけではありません。

そして、事業が順調、たとえばお金が着実に増えているようなときは、会計は必要ないのかもしれない。

会計には、お金も時間もかかるのに、直接お金を生むわけではないので。

税金のため…は、いちおう除いておきますけれどね。

 

お金を生まないから

会計をやっても、お客さまからお金をいただくことはありません。

なのに会計に時間などをとられるのは、もったいない。

そんなときは「つまらない」と感じます。

 

ひとつ知っておきたいのは、世に起業された事業がすべて上手くはいかない…ということ。

「倒産件数」などと検索してみましょう。

その理由にはいろんなことがありますが、代表的なものの一つに資金繰りの悪化があげられます。

 

事業には、上手くいくときと、いかないときがある。

上手くいくときは、ひたすら攻めても上手くいきます。

いっぽう、上手くいかないときは、攻めるのではなく、守ることも考えなくてはなりません。

お金をなるべく減らさずに、商品開発や営業をしつつ、しのぐ…と。

お金がなくなれば、事業は終わりですから。

 

そのときに登場するのが、会計です。

(もちろん攻めるときにも役立ちますが、守るときは必須です)

会計には、痛い目にあってから「もっと勉強しておけばよかった」という感想を抱きがちな面もあるのです。

仕組みが分かれば、前もって、そのお金をつかうと今後はどうなるか…がある程度わかりますから。

会計を知らずに窮地に陥ってしまうことは、やっぱりあるのです。

 

会計は、攻めにもつかえますが、守りにおいては必須のもの。

武器というより、防具といえます。

 

防具を試すって、勇気がいりますよね。

あえて不利なところへ突撃するようなものなので。

なので、試しましょう…とは言いません。

 

ただ、事業をするにあたり、武器と防具をもっているか。

そう自問はしてみましょう。

防具を磨いているとなれば、「つまらない」は減るはずですし。

 

おなじく、武器と防具をもって、なにをやるのか…とも。

「つまらない」は、先にあるものが分からないから出てくるものです。

もし「つまらない」ことがあるのなら、まず考えるべきは、先にあるもの。

自分がやりたいことを、あらためて考えてみましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。