事業とは自分だけの「わらしべ長者」を作ること

おとぎ話のわらしべ長者には、事業の本質が描かれています。

もし自分でわらしべ長者を書くなら、どんな話にしますか…?

 

わらしべ長者のあらすじ

わらしべ長者というおとぎ話を、読んだことあるでしょうか。

読んだとしても、忘れているかもしれませんね。

なんでも、その原型が平安時代や鎌倉時代の文献にあるそうで。

 

すこし振り返ってみましょう。

主人公がいるわけですが…

  • 一本のわらしべの先に、アブを結びつけて遊んでいたら、それが子どもの興味をひいた
  • そのわらしべを、子どものお母さんが持っていたミカンと交換した
  • つぎに、のどが渇いて困っているひとと会った
  • そのひとにミカンをあげる代わりに、布をもらった
  • そのつぎに、市場へ行く途中で馬が病気になって困っているひとに会った
  • そもそも、そのひとが市場で欲しかったのが布だった
  • なので、ミカンと交換で手にいれた布と、病気の馬を交換した
  • 病気の馬は、看病したら元気になった
  • その馬にのってしばらく行くと、旅の準備をしているひとに会った
  • そのひとは旅のために馬が欲しかったが、持っていなかった
  • 馬を、そのひとの家と田んぼと交換した
  • その後、真面目にはたらき、大金持ちになった…と。

 

大金持ちになるかはともかく、このおとぎ話には、事業の本質があるのでは。

 

事業の本質

わらしべ長者から読みとれる事業の本質は、つぎのこと。

  • 自分が持っているもので、相手が変わる

 

まず「自分が持っているもの」ですが、たんに持っているだけではありません。

なにかしらの付加価値をつけています。

たとえば、わらしべにアブを結びつけるのがそうですね。

病気の馬を看病して元気になるのもそうです。

手に入れたものが、違う効用をもつものになったわけです。

 

それ以外は、たまたま交換できるひとに会った…ともみえます。

でもそこには、モノを運んだという付加価値がある…ともいえます。

今でいえば、小売業ともいえるでしょう。

必要なモノが目の前にあるというのは、偶然ではないかもしれないですね。

 

それから「相手が変わる」こと。

  • わらしべに興味がある子どもが、喜んだ
  • のどが渇いていたひとが、困らなくなった
  • 市場に行きたかったひと、旅に行きたかったひとが、欲しいものを手にいれた

喜ぶ、困らなくなった、欲しいものが手にはいった。

これが、相手が変わることです。

 

ここまでの2つの要素がそろってはじめて、交換が成立します。

交換で手に入れるものがお金なら、現代でおこなっている事業そのもの。

 

事業をするのは、やっぱりお金を稼ぐためでもあります。

すると、「売れない」とか「利益率が…」と考えがちです。

でも、それらは結果であって、むしろ大事なのは結果をもたらす事業の本質。

 

数字ばかり見ていると、ときに本質を忘れる…

とは言いませんが、優先順位が変わることもあったりします。

「自分が持っているもので、相手が変わる」

これは、マーケティング、つまり売れる仕組みをつくるときの基本的なことです。

数字をみたら、時にここまで振り返るようにしてみましょう。

数字やお金も大事なんですが、たまにはね。

 

もしわらしべ長者を書くなら

事業とは、自分だけのわらしべ長者を書くようなもの…かもしれません。

もし自分だったら、どんな話にするでしょうか。

ひとつの交換だけでもいいんですよ。

あるいは、今やっている事業をおきかえてみる…とか。

それに、必ずしも大金持ちにならなくてもよいですし。

 

ポイントは、むずかしい話にしないこと。

おとぎ話は、基本、子どもが読むものですから。

 

でも、きっとそれは難しいはずです。

ものごとをシンプル、簡単にするには、本質をつかんでなければならないですから。

しかも、専門用語などつかわず、小学校に入る前のこどもにも分からなければならない。

なんで交換が成立するのか…が。

そして、できれば読んだ子どもが興味をもつような。

 

もしよかったら、遊びと思って考えてみましょう。

本質をつくことの難しさがわかるだけでも、拾い物ですから。

 

 

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