事業の数字を見ないことによる一番のデメリット
事業で一番の問題は、お金が足りなくなることです。
ただこれは、数字を見ていても、見ていなくても起こること。
数字を見るのは何のためか…をかんがえてみましょう。
数字を見なくても何とかなる
経営者のなかには、こまめに事業の数字を見ずに経営されていらっしゃるかたもいます。
税理士の立場にいると、それは決算時に分かるのです。
というのも、税理士には、税金の申告書の作成だけを依頼することもできるので。
そんな契約ですと、連絡を取りあうのは年に1~2回。
そのときに、普段から会計データを作っていなかったこともわかる…と。
ただ、それで経営の問題がないこともあります。
じぶんの頭のなかで管理できるかたもいますし、手元には通帳もありますから。
- 事業の規模がおおきくない
- ひとを雇っていない
- 設備投資をしていない
- 現金決済の比率がおおきい
- 未収や未払だけはキッチリ管理している
こうした条件が整っていれば、こまめな経理をしなくても、管理することはできます。
それにお金を稼ぐためには、管理せずとも、とにかく売上や利益がでればよいわけです。
- 商品やサービスに突き抜けた魅力がある
- 人間関係がよく受注に困らない
- 市場を独占している
- お金には困っていない
- 売上も経費も、毎年おなじことの繰り返し(安定している)
こんな状況にいるなら、こまめに数字をみなくても、問題がおこる可能性はひくい。
事業において絶対に避けなければいけないのは、お金が足りなくなること。
これさえ回避できるのなら、問題はない…といえるのかも。
数字を見ないことによる一番のデメリット
絶対に避けなければならない「お金が足りなくなること」。
これは、小まめに数字を見ないから起こることではありません。
もちろん、間接的な原因ではあるんですけれどね。
お金が足りなくなる原因は、次のどちらか2つのこと。
- 売れない
- お金のつかい過ぎ
たとえば事業を始めてすぐに、有り金をすべてつかって一発勝負をかけるなら。
事業は1日ともたずに終わってしまうこともあり得ます。
そして、そのときには経理をする暇もない…と。
数字も見ようがないわけです。
ただ、これは極端なお話。
通常は、ものごとはもう少し緩やかに進んでいくものです。
そのときに数字を見るのは、「このままいくとヤバいかも」を察知するため。
それが分かれば、方向転換や対策ができますから。
つまり、数字を見ないことの一番のデメリットは「変わるチャンスを逃す」ことなのです。
もし株式に投資をするなら、きっと毎日のように株価が気になるはずです。
長期で保有する…ということもありますけれどね。
事業だって、毎日のように投資をしているはずです。
その投資とは、経費のこと。
経費は、見返りを売上とする投資ですから。
事業をこんな風にとらえるのも、よいかもしれないですよ。
少なくとも気にしておきたいこと
とはいえ、経理をして事業の数字をだすのも、大変な状況はあるでしょう。
慣れや向き不向きのこともありますが、やはり手間と時間がかかること。
これがネックになるのが多いことも事実です。
税理士などに依頼をしてもいいのですが、結局は、自分の目で確認しなければ意味はありません。
数字を見るのは、つまるところ「お金をどうつかうか」の参考にするためですから。
だから、お金をつかうひとが見なければ、なんの意味もないのです。
もし、経理の時間がとれないとしても、次のことは気にしておきましょう。
- もう分かっている未収のもの・未払のもの
- 現時点で申告するとしたら、税金はいくらか
できれば、今日から先1~2か月分くらいは見通せるとよいですよ。
ちなみに、お金が少なくなってきたとき、よく滞納してしまう税金があります。
それは、役員報酬などから天引きする所得税・住民税。
この2つが滞るなら、すぐに経理をし、お金のつかいかたなど対策するようにしましょう。
どんな商売でも、商売にかぎらないんですが、よく言われるのはつぎのこと。
- 変化に対応できなければ、生き残れない
数字を見るのは、このためだと思いましょう。
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