消費税が払えないときはどうするか

税金は、期限までに一括で払うのが原則です。

そのとき、もし払えなくても、申請をすれば猶予してもらうこともできます。

それをせずに放っておくとどうなるかも確認しておきましょう。

 

払わずに放っておくとどうなるか

消費税は、法人税や所得税よりも多額になることがよくあります。

さらに、赤字であっても納税額がでてしまうことも多々あります。

 

なぜ赤字でも消費税の納税がでるかというと。

それは、経費のなかに消費税がかからないものがあることが原因です。

たとえば、人件費や法定福利費・租税公課・保険料などが消費税がかからないもの。

これらを経費からのぞいて利益を計算し、その利益の10%くらいが納税額…というのが消費税のざっくりとした計算方法なのです。

(簡易課税をつかっていると、このあたりの計算は変わってくるんですけれどね)

と聞くと、なんとなく赤字でも納税額がでてしまうことが伝わるでしょうか。

 

ただ、赤字ということは、お金も減っているわけです。

だから、消費税をはらうお金が足りないこともじゅうぶんに起こり得ます。

 

そこで払えないからといって、そもそもの申告も止めておこうとなると。

税務署から「申告が出されていないようですが…」と電話がくる可能性があります。

(税務署は、メールをつかいません)

そして、2年以上のあいだ申告をしていなければ、消費税ではなく法人税のことで、青色申告の取り消しの手紙や電話がくる可能性がたかいです。

それでも申告をしなければ、「休業しているんですか…?」という内容の手紙もとどいたりします。

さらに、税金の時効は基本的に5年と聞いたことがあるでしょうか。

それを超えると税務署も取りはぐれることになるので、まちがいなく連絡はつづいて来るでしょうし、場合によっては「税務調査にうかがいます」という可能性もじゅうぶんにでてきます。

つまり、逃げ切るのはむずかしい…と。

 

いっぽう、申告をだしたけれど納税はできないとき。

そんなときは督促状がとどきます。

それを無視していれば、最終的に差し押さえなどにもつながります。

といっても、差し押さえが実行されるまでに、ついかの電話連絡などもあります。

ときには、いきなり会社や事務所に来たりすることもあったり。

 

でも、差し押さえなんかされたら、困りますよね。

とつぜん、明日の経費の支払いができないことにつながるわけですから。

なので、消費税が払えないとなったら、とりあえず税務署に相談へいくのがよいですよ。

納税を待ってもらう(=猶予)こともできますから。

 

消費税が払えないときはどうするか

納税を待ってもらう仕組みには、つぎの2つがあります。

  • 納税の猶予
  • 換価の猶予

うえの「納税の猶予」は、災害や盗難などを原因としてお金が足りなくなったときにつかえるもの。

そうでないなら、「換価の猶予」を申請することになります。

詳細は「国税を期限内に納付できないとき」とネット検索して、国税庁HPをみてみましょう。

 

どちらの場合であっても、税務署へいく前に、「こちらから」電話をしておくのがよいです。

税務署から督促状や電話がくるまえに、こちらから連絡しておくと印象もよくなるはずですから。

換価の猶予を申請する条件に「納税について誠実な意思を有すると認められること」ともありますし。

ちなみに、とりあえず払える分として、申告した納税額とは全然ちがう金額を払ってしまうのもアリです。

たとえば申告した納税が「200万円」のところ、「50万円」だけを払う…という風に。

そうすれば、延滞税も減りますから。

 

なお、猶予の申請をするときは、いくつかの書類も書きます。

その書類では、とくに収入と財産の状況について、法人税や所得税の申告よりも詳細に書くことになります。

たとえば、その書類のひとつである「財産収支状況書」はつぎのようなもの。

 

 

 

ふだんの申告よりも、細かく、かつ真剣に準備をする必要があると思っておきましょう。

猶予は「申請」で、むこうの審査を通過する必要がありますから。

 

そして何より、事業を黒字にしなければなりません。

お金は、黒字にしなければ増えないですからね。

 

税金は、本来だったら期限までに一括で払わなければいけないもの。

でも猶予が認められたら、それは金融機関で融資をうけるのとおなじ効果があります。

いそいで融資の申し込みをするよりも早く、お金の手当てができるともいえるわけです。

 

だれでも、税金はできるだけ少ないほうがいい…と感じるものとおもいます。

もちろん、状況におうじてできる節税はし、ムダなものを払う必要はまったくないです。

ただ、お金は税引き後の利益のぶんしか増えない…という現実もあるんですね。

税金が多ければ、手元に残るお金も多くなる…と。

いつも税金を少なくすることを目指していると、なかなかお金は増えにくいものなのです。

すると、突発的な事情で赤字になったとき、税金が払えないことにつながったりもします。

事業の生命線は、やっぱりお金なのです。

「税金をたくさん払いましょう」とは言いませんよ。

でも、税金より、自分のお金のことを考えるほうが大事かなと、わりと切実に、そう思っています。

とてもむずかしい問題なんですけれどね。

 

まとめ

消費税が払えないときは、猶予の申請ができることを確認してきました。

 

余談ですが…

税金などが払えないときの対応は、税務署ではひかくてき親切だったりします。

年金事務所や市役所では、差し押さえにはいるタイミングも税務署より早いですし、電話口でも冷たくキツかったりしますからね。

税務署とは、慣れがちがうのかも。

税務署は良いところと言うつもりもないんですが、不安を抱えているよりも、パッと相談にいくほうが解決まで早いかもしれませんよ。

 

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