忙しくて時間がなくても最低限やって欲しい経理のこと

経理でいちばん時間がかかるのは、探したり思い出すことかもしれません。

そこで時間を失わないために、最低限やって欲しいことをお伝えしていきます。

 

経理の優先順位

経営において、まず意識がいくのは売上のことです。

売上がなければ、とうぜん利益もでないし、お金も増えない。

だから、売上がいくらか、そしてどう売上を確保するか、確保した売上やお客さまのフォローなど。

おおくの時間が、売上のために費やされることになるわけです。

 

もし経理をするなら、請求書の発行など売上そのものに直接かかわるものはさておき。

残りのものは、どうしてもあまった時間で…となりがちですし、それも分かります。

よっぽど数字やお金に問題がなければ、経理をしてもお金が増えるわけではないですから。

それに、口座の残高をみれば、お金がいくらあるかも分かるし。

 

ただ知っておいて欲しいのは、数字やお金は、気づかぬうちに悪化することがある…ということ。

たとえば、数字を見るのは決算のときだけ…というとき。

お金があるから黒字だろうと安心していると、じつは赤字だったということも。

そのお金は、じつは自分が立て替えていたものだった。

会社のお金ではなく、自分のお金だったということもあったりするのです。

 

小まめに経理をして、数字やお金の確認をするのがよいのはもちろんのこと。

ただ、現実を見ればそうも言ってられない状況もあるでしょう。

そんなときでも、最低限やってほしい経理のことをお伝えしていきます。

 

最低限やって欲しいこと

最低限やって欲しいのは、つぎのこと。

  • 書類をあつめ、なくさない
  • 記憶があるうちに振り返る
  • 経理はやる気の問題じゃない

 

書類をあつめ、なくさない

決算書などの会計データをつくる、つまり会計ソフトに入力するとき。

基本的には、すべての数字について、領収書などの裏づけが必要です。

例外的に、自販機で買った飲みものやご祝儀や香典など、領収書がなくても経費にできるものはありますけれどね。

 

ただ、これらの資料をあつめること自体に、ちょっとしたハードルもあったりします。

もはや紙が送られてくることは少なく、メール添付や、それぞれのサイトでダウンロードする方法が主流になりつつあるからです。

紙のばあいは、手数料を取られることもありますしね。

 

そこで、つぎのようなことも。

  • メール自体は捨てていないものの、経理をするときに、そのメールを探してから資料をダウンロード
  • サイトにアクセスするのに、IDやパスワードをいちいち入力するのが面倒
  • そのIDやパスワードを忘れた…
  • パソコンにパスワードなどを記憶させてもよいが、それはそれで不安
  • ダウンロードしたものが、どこにあるか分からない

 

こうしたことを乗りこえて資料を整えるのは、けっこうな時間がかかるもの。

ただ、お金を受けとったり払ったりするときは、かならず「分かっている」はずですよね。

その分かっているときに、後から分かる場所に保管なりしておくのが、結局はラクなのです。

そのときの小さな面倒は、あとになれば大きな面倒になってしまいますから。

 

また、紙でとどいたものも安心はできません。

封を開け、払うときには見ていたものの、その後にどこへいったかな…ということもあるので。

かならずしもキレイに整える必要はないですが、経理の資料は「一か所にまとめておく」のがよいですよ。

いちばん時間をうしなうのは「探す」ことですから。

 

記憶があるうちに振り返る

決算書などの数字をみるのは、過去の行動が良かったのか・そうでなかったのか…を知るため。

とは別に、それを踏まえてつぎはどうするか…を考えるためでもあります。

そのときに、数字をみても過去のことが思い出せなかったら、数字の良し悪しも判断できません。

であれば、数字をみる意味もうすれてしまいます。

 

また、経理の現場でよくあるのは「この支払いってなんだったかな」というもの。

それが分からなければ、経費にするのか・しないのか…の判断もつかなくなってしまう。

こうしたことのため、「思い出す」作業が必要になってしまいます。

 

「思い出す」のも「探す」のも、似たように時間がかかるもの。

そして、ときには思い出せる、あるいは見つかる保証もなかったりします。

それを避けるには、経理は記憶がうすれないうちにやったほうが、かえって良いのです。

 

経理はやる気の問題じゃない

忙しくて時間がないと、「経理は時間があるときにまとめて…」と思ったりしないでしょうか。

気をつけたいのは、そのときの経理のやる気と、いざ時間ができたときのやる気の違いです。

 

どんなかたも経理をやらなくては…という意識はあるものだとおもいます。

だから、できないときは「やらなきゃ」と感じるもの。

そのときのやる気を「100%」とするなら、いざ時間に余裕ができたときのやる気はどれくらいでしょうか。

わたしも経験はあるんですが、おそらく 100%ではなく、せいぜい 60%、あるいは 20%とか。

時間があるからといって、ものごとが進むわけでもないんですよね…

 

経理というのは、やる気が関係するものではなく、習慣でおこなうもの…と考えてみましょう。

 

たとえば財布のなかみ。

朝でかける前でもよいですし、帰ってきてからでもよいです。

いくらあるかを数え、中にあるレシートなども経費になるもの・ならないものなど選り分ける。

きっと、これにかかる時間は5分くらいですよね。

ただ、毎日やる。

そうすれば、すくなくとも現金払いの経費は、毎日ととのえていることになります。

 

ほかにも、ネットでの取引では。

きっとメールは毎日みるものですよね。

そのメールをみるときに、添付されているものやダウンロードできるものがあるなら、やっておく。

後から分かるように。

 

くれぐれも、今のちいさな面倒は、後になるほど大きな面倒になることを知っておきましょう。

その面倒さを緩和するのが、習慣にすることです。

 

まとめ

忙しくて時間がなくても、資料をあつめるなど、経理のために最低限必要なことがあります。

その経理は、やる気ではなく、習慣でおこなうもの。

ぜひ、財布のなかみを整えるなど、簡単なところから始めてみましょう。

ひとつでもやってあることがあれば、だいぶ気分は変わるはずですから。

 

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。