2年ごとに「会社設立→たたむ」で消費税から逃げられるか
こうした事例は、まだ見たことがありません。
ですが、2年ごとに「会社設立→たたむ」を繰り返しても事業の実態が変わらないのであれば、租税回避にあたります。
目次
会社設立から2年間は免税事業者
会社を設立してから2年間は、基本的に、消費税の免税事業者となります。
消費税の申告も納付も、必要ないのです。
というのも、消費税の申告・納付が義務になるかどうかは、2年前の消費税がかかる収入が1,000万円を超えるかどうかで判断するからです。
会社を設立してから2年間は、2年前の収入は存在しません。
そのため、免税事業者となるのです。
なお、消費税の申告・納付が義務になるかどうかについては、2年前の収入以外にも、いくつかの条件があります。
また、年度の設定が影響することもあります。
ただ、そうした条件などは考慮しないで、話を進めていきますね。
さて、2年間は消費税が免税ということは、2年ごとに会社を設立し・たたむことを繰り返せば、ずっと免税事業者でいられるのでは…という疑問がでてきます。
2年ごとに「会社設立→たたむ」で消費税から逃げられるか
この方法で、消費税から逃げることはできないはずです。
というのも、次のことがあるからです。
- 租税回避にあたる
- 設立などにかかるコスト
- 信用問題
- インボイスのこと
租税回避にあたる
租税回避とは、法律の趣旨には反しているものの、違法とならないように取り繕うことをいいます。
たとえば、「ここに車を止めるな…!」という注意書き。
もし、それでも車を止めてしまえば違法です。これが脱税といわれるもの。
でも、バイクだったらどうでしょう…?
すぐに違法とはなりません。だって「バイクを止めるな」とは書いてないですから。
ただ、車を止めるなという趣旨は、邪魔になるから・危ないから…だったりします。
バイクを止めることは、その趣旨に反しているのではないでしょうか。
であれば、止めるべきではない。
…というようなことを、租税回避といいます。
さて、会社を2年ごとに「設立→たたむ」を繰り返すことです。
このとき、事業の実態は変わらないはずです。
にもかかわらず、2年前の収入は、べつの会社の名義になっている。
じつは、このことは法律でハッキリ禁止されているわけではありません。
なので、いっけん法律違反ではないようにも見えます。
でも、実態から考えれば、あきらかな租税回避です。
正直、どんな結末がまっているのかは、予想するのが難しいです。
これまで、このような事例を見たことがないので。
ただ、割とおおきめの危険があることは知っておきましょう。
もしかしたら、以下に挙げるようなこともあるので、現実的ではないのかもしれません。
設立などにかかるコスト
会社を設立するには、10万円~30万円ほどのお金がかかります。
そして、会社をたたむときも、同じくらいのお金がかかります。
2年ごとに「設立→たたむ」を繰り返すとき、それはペイできるのか…?
というのも、つぎの信用問題もあるからです。
信用問題
自分の肩書きが2年ごとに変わることを、人はどう見るか…?
かりに消費税を納税したとしたときの金額が、「設立→たたむ」の費用を超えるようなときは、事業の規模もそれなりのはずです。
ということは、取引先の数もそれなりに多いはず。
世の中、やっぱりルールを守るひとが大半です。
そんなひとにとって、2年ごとに肩書き・会社名が変わるのは「怪しい…」と見られるはずです。
となれば、いつか取引が終わってしまうかもしれません。
そんなリスクもあるのです。
インボイスのこと
インボイス登録をすると、消費税の申告・納付は義務になります。
でも、インボイス登録をしていないと、消費税の分はいくらか値引きを要求されるのが道理です。
というのも、値引きをしなければ、取引相手の納税が増えてしまうからです。
取引相手が事業者、かつ、消費税の申告・納付をしている場合ですけれどね。
なので、相手が消費者のときは、値引きに発展することはないかもしれません。
また、相手が親切なら、あえて値引きを言ってこないこともあるでしょう。
免税事業者は、インボイスを発行することはできません。
そのため、いつも値引き問題がついてくることは知っておきましょう。
まとめ
2年ごとに「会社設立→たたむ」を繰り返しても、消費税の免税事業者でいつづけることは出来ないはずです。
また、この仕組みによりお金を稼ぐ・増やしていくことにも疑問符がつきます。
お金は、事業自体をより良くしていくことで稼ぐもの…と考えましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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