「お金が足りなくならないか?」を調べる方法
お金のことは、資金繰り表をつくって確認しましょう。
利益をみるだけでは、不十分なのです。
足りなくなってからでは遅い
「お金が足りなくならないか…?」は、経営者のおおきな悩みです。
もし支払いができなければ、基本的に、そこで事業は終わってしまうからです。
かりに支払いを待ってくれたとしても、財布のなかを見透かされているようで恥ずかしいし、信用には大きなキズがついてしまいます。
「次の取引はしないよ」ということもあり得ます。
お金にだらしないと思われてしまうと、遠ざかっていく人もいるわけです。
また、請け負った仕事が完成できない…ということだってあるでしょう。
なので、お金が足りなくなる事態は、どうしても避けなければならないのです。
このとき、融資を受ける…というのも解決策の一つといえます。
でも、申し込みをしてから入金されるまで、1か月程度はみていたほうがよいです。
申し込みの準備や審査に、時間がかかるので。
いざ困ったときに「じゃあ明日に…」とはいかないわけです。
いっぽう、「黒字を続けていれば、お金もついてくるよね」という考えかたもあります。
でも、この考えかたは危険です。
というのも、黒字だからお金があるとは限らないからです。
たとえば売上のこと。
売上は、商品を引き渡したり・サービスが完了したときに、利益の計算に組みこまれます。
お金を受けとったときではないのです。
そうでないと、仲のよい取引先などと共謀して、調整ができてしまうので。
もし、売上が登場してから入金されるまでの間に、まとまった支払いがあるときはどうなるでしょうか。
トータルでみたときにお金は増える予定であっても、瞬間的には足りないことだってありえます。
というわけなので、利益はあてにできないこともあるわけです。
つまるところ、お金のことは困ってからでは遅いのです。
いつも、足りなくならないように先を見ている必要があるのです。
「お金が足りなくならないか?」を調べる方法
先を見るとは、簡単なところでは、次のとおりです。
まずは、今あるお金を調べます。
口座の残高を確認するだけですが…
そして、入金・出費の予定をくわえていきます。
すると、将来のある時点で持っているであろうお金は予測できます。
ただ、これだとザックリすぎます。
入金も出費も、ある1日にすべてが行われるわけではないですから。
通常は、次のようにジグザグしながら残高が推移していくものです。
このジグザグのなかで、一瞬でもマイナスになることがあってはいけない…
なので、もっと詳しく把握しなければならないのです。
そのためにつかうのが、「資金繰り表」です。
それは、たとえば次のようなものです。
これは、ごくごく普通のものなので、カスタマイズしましょう。
たとえば「売上」などの項目は、普段おつかいの科目に置きかえても問題ありません。
また、日付けの区切りは、給料日や借入金の返済日など「大きめの支払いが終わった後でいくら残っているか」が分かるようにしましょう。事業の形態によっては、1日ごとにするのだってアリです。
もし、車や設備などを購入するなら、「投資」として新たに1行追加したほうがよいです。
この資金繰り表は、まず過去の実績のものをつくります。
会計ソフトから、現金や預金のデータを、Excelにダウンロードするのです。
それを加工・集計して、資金繰り表をつくります。
その過去の実績をコピーして、予測のものをつくっていきます。
数字を、置きかえていけばよいのです。
その結果、足りる…と分かったとき、安心はまだ早いです。
すこし悲観的にした数字ならどうなるかも、確認しておきましょう。
いっぽう、足りない…となるなら、けずれる出費をけずったり、お金を都合する算段を整えなければなりません。
大事なのは、あらかじめ知っておくことです。
とつぜん税金の納付書が届いたら、ビックリするし頭にきますよね。
リスクは、知っておけば、手を打っておくことができますから。
まとめ
「お金が足りなくならないか?」を調べる方法について、みてきました。
先を見るのが大事なのは、あらかじめ備えることができるからです。
そして、その備えも、とうぜんお金や数字にもとづいたものになります。
すると、なにかを判断するにも、確信の度合いが違ってくるはずです。
資金繰り表をつくるのは、正直、手間がかかります。
でも、その手間を安心と天秤にかけてみましょう。
リスクがないことが分かるだけでも、つくる価値はあるはずです。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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