数字は経営者を映す鏡。鏡を見れば気づく。

ボサボサの髪のように、鏡をみると気づくこともあります。

そして、気づけば直せる…ということが大事です。

 

数字は経営者を映す鏡

経営者の仕事は、判断をすること。つまり、決めること。

ある経費が、なぜ○○円かかっているのか…といえば、それは経営者が決めたから。

そして、その経費をもとに売上がたてば、それは経費をかけたおかげ。

つまり、その経費をつかうことを決めた経営者のおかげ…といえます。

 

決算書などの会計データにのっている数字には、すべてこの理屈が成り立ちます。

数字には、経営者が決めたことが反映されるわけです。

なので、数字とは、経営者の過去の行動や判断をうつす鏡のようなもの…といえるのです。

 

ただし、数字にはあらわれにくいものもあります。

たとえば、苦労…

もし、それが働いた時間の多さなら、集計をすれば済むこと…といえます。

ふだんの経理とは別に手間がかかってしまいますけれど。

ただ、見ようと思えば見れないこともない。

 

それでも、苦労によるストレス・上手くいかない悩みなどは、数字にはあらわれません。

ぎゃくに、苦労が報われたときの嬉しさなどもあらわれないですが。

 

鏡とは、外見を映すもの。

なので、心まではみえないわけです。

そんな鏡を、普段から見ているか…?

 

鏡を見れば気づく

普段の生活では、1日1回くらいは鏡をみるのではないでしょうか。

おそらく、洗面所にはあると思いますし。

すると、ちょっと服がヨレているな…とか、髪がボサボサ…など気づくこともあるはずです。

あるいは、「今日はよし…!」ということも。

 

ときには、顔がむくんでいたり、覚えがないのに切り傷があったり…

あるいは、ボタンの掛け違いなども。

こうしたことは、鏡を見ると、かんたんに気づくことができます。

そして、気づかないでいると、「なんかおかしいな」と思うのに、なかなか原因がわからないもの。

でも、原因がわかれば、直すこと・行動をあらためることができます。

 

こうしたことは、経営においても同じです。

会計データには、経営者が、つまり事業の状況が、鏡のように映されるので。

自分ではよいと思っていたことが、じつはそうでもない…ということが見えるのです。

もちろん、その逆も。

 

くわえて、数字には具体性があります。

鏡に、1㎝とか1㎜などの目盛りが書かれている…とおもってみましょう。

事業の場合は「円」ですが。

 

すると、たとえば「売上がたくさん」ではなく、「売上が1億円」という表現に変わります。

おなじ「たくさん」でも、9,000万円かもしれないし、2億円かもしれない。

「たくさん」の中にも違いがあるわけです。

 

「たくさん」というのは、あくまでも主観。

でも、数字であらわせば、それは誰からみても同じ…という客観的なものになるのです。

すると、話の信ぴょう性が変わります。

 

また、比べかたも変わるでしょう。

たとえば「大・中・小」だったものが、「それぞれの違いは100万円…」といった風に。

すると、目安の立て方も変わります。

 

鏡をみれば、経営が映し出され、気づいていなかったことに気づくかもしれない。

そして、数字には具体性があるゆえに、気づいたことの中にも、更なる違いがあることも分かる。

その違いを比べるなどイジることにより、行動の変え方にも目安がつきやすくなる。

こうしたことを通じて、経営は変わっていくことができます。

鏡をみれば、気づき、変わることができるわけです。

 

数字を見るとは

経営の目的には、やっていくために必要なお金を確保する・増やす…ということが含まれます。

そのお金は、数字であらわされます。

なので、経営をしていく以上、どうしても数字と付きあっていかなければなりません。

そのためには、儲けの仕組み・お金の流れを知る必要があります。

 

儲けの仕組みとは、たとえば損益計算書。

そこには、売上や経費そして利益が、それぞれいくらあったのか…が書かれています。

お金は、利益のぶんしか増えません。

お金を増やしたかったら、利益をどうにかするしかないのです。

 

いっぽう、お金は、かならず先に出ていきます。

先に経費があり、後から売上…の順なのです。

投資をして、リターンがあることのように。

 

すると、お金のつかいかた・出ていきかたによっては、売上が入金される前に足りなくなる…ということも起こり得ます。

これは、要注意。

というのも、中には支払いを待ってくれないかたもいるからです。

もしかすると、その時に事業はストップしてしまうかもしれません。

なので、こうしたことを避けるために、お金がどう出ていき、どう入ってくるか。

タイミングをふくめて、「事前に」知っておかなければならないのです。

 

ここまでを踏まえて、「どうやったらお金を増やせるか」を考えるのが経営者の仕事です。

そして、この考えかたが「数字をつかう」ということでもあります。

 

そのためには、もとになる数字を知っておかなければなりません。

くわえて、ある数字が動くと、他にどんな影響があるのかも、予測できる必要があります。

でも、まずは鏡をみて気づくところから始めましょう。

どんな人もゼロから始めているので、やれば、出来るはずですから。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。