確定申告のお知らせを見ないと間違うかもしれないこと

申告の時期がちかづくと、税務署から確定申告のお知らせがとどきます。

これには、基本的、かつ、重要なことが記載されています。

計算間違いにもつながるので、どんなことが載っているのか、確認しておきましょう。

 

確定申告のお知らせ

確定申告の時期がちかづくと、確定申告のお知らせがとどきます。

おおむね、つぎの時期に。

  • 個人(所得税、消費税)……1月下旬ごろ
  • 法人(法人税、消費税)……決算月の翌月中旬~申告月の上旬

 

申告を紙でおこなっていれば、ハガキがとどくはずです。

いっぽう、e-Tax(マイナンバーカード方式)を利用したり、税理士に依頼をしているときは、e-Taxのメッセージボックスにとどきます。

 

このお知らせは、今回も申告がみこまれるかたにとどくものです。

前回、青色申告をしていたり、消費税の課税事業者だったり、予定納税・中間納付などをしているかたに。

 

なんとなく「税務署に見られている…」感があって、いい気はしないかもしれませんね。

でも、このお知らせには、重要な情報ものっているのです。

 

お知らせを見ないと間違うかもしれないこと

お知らせにのっている情報を、つぎの税目ごとに確認しておきましょう。

手元にある領収書や、過去の税務手続きの履歴と照らしあわせながら。

  • 所得税
  • 消費税
  • 法人税

 

所得税

お知らせには、つぎの情報がのっています。

  • 申告の種類……青色か、白色か
  • 電帳法に基づく届出書(または申請書)の提出状況
  • 予定納税額
  • 納付にかんすること

 

「申告の種類」には、青色申告か・そうでないのか…が書かれています。

ほんらいはできないのに、青色申告のメリットをつかっている…というケースに注意しましょう。

青色申告するための申請はしたものの、期限を過ぎていたりすることもありますから。

 

「電帳法に基づく届出書(または申請書)の提出状況」には、電子帳簿保存法にもとづく届出書の提出あり・なし…が記載されます。

このこととは別に、請求書や領収書をPDFなどのデータでうけとったときは、そのデータをダウンロードするなどして、データのままで保存しなければならない…というルールがあることに注意しておきましょう。

 

「予定納税額」には、今回の申告にかかわる金額が書かれています。

  • うっかり申告書に書くのをわすれた…
  • 金額がまちがっていた…

こうしたことになれば、あとで精算のため、税務署とのやり取りが必要になってくるかもしれません。

たった一つの数字で、けっこうな時間をとられるかもしれない…と注意しておきましょう。

 

「納付にかんすること」には、次のことが書かれています。

  • 振替納税やダイレクト納付をしているかどうか
  • どの金融機関を登録しているか

うっかり忘れ、紙の納付書で払ってしまったら、税務署へひとこと連絡しておきましょう。

払ったあとで、さらに引落しがきた…なんてならないように。

 

消費税

お知らせには、つぎの情報がのっています。

  • 簡易課税の届け出をしているか
  • ほんらいは免税のところ、あえて課税事業者になったのかどうか
  • 課税期間の特例を利用しているか
  • 中間納付の金額
  • 基準期間(法人のみ)

 

「簡易課税」の届け出は、「不選択」の手続きをしないかぎり、ずっと有効です。

売上が、しばらく5,000万円を超えていたものの、今回はそれを下回る…

こんなときに、うっかり原則で計算してしまうこともあります。

こんな間違いに、注意しましょう。

 

「あえて課税事業者」になり、単価100万円以上の買い物をすると、課税である期間は最低でも3年間つづくことがあります。

あるいは、この手続きを過去におこったことを忘れ、2年前の売上が1,000万円ないから免税…という判断をしてしまうこともあります。

  • 計算方法には、いろんな縛りがある
  • 一度おこなった手続きは、やめる手続きをしないかぎり有効のまま

この2つのことは、消費税の「おおきな」計算間違いにつながることを、知っておきましょう。

 

「課税期間の特例」には、申告を3か月または1か月ごとにおこなう特例の手続きをしたかどうか…が書かれています。

輸出でもしていなければ、手間がかかるので、あまり見ないのではないか…とおもいます。

 

「中間納付の金額」には、今回の申告にかかわる金額が書かれています。

これを間違うと、納税または還付もズレてくることに気をつけましょう。

なお、消費税は10%ですが、国税(7.8%)と地方税(2.2%)のごうけいです。

そのため、中間納付も、2つにわかれて書かれます。

申告書では、上に国税・下に地方税がきますので、書く場所にも注意しましょう。

 

「基準期間」は、法人のみ記載されます。

個人とはちがい、法人は年度を自由に設定できるので。

基準期間が1年未満のときは、売上の年換算が必要なことを知っておきましょう。

(たとえば設立年度は、1年未満のこともままあります)

課税か免税か…の判断がかわってくるので。

 

法人税

お知らせには、つぎの情報がのっています。

  • 年度がいつからいつまでか
  • 中間納付の金額
  • ダイレクト納付をしているかどうか

 

「年度」は、法人なら自由に設定できます。

また、いちど設定したあとで、かえることもできます。

これらにおうじて、申告の期限もかわってきます。

基本は、年度がおわってから2か月以内です。

 

「中間納付の金額」は、今回の申告にかかわる金額です。

  • うっかり申告書に書くのをわすれた…
  • 金額がまちがっていた…

こうしたことになれば、あとで精算のため、税務署とのやり取りが必要になってくるかもしれません。

たった一つの数字で、けっこうな時間をとられるかもしれない…と注意しておきましょう。

 

「ダイレクト納付」をするには、事前の手続きが必要です。

そのダイレクト納付が利用できるかどうか。

どの金融機関が登録されているか。

こうしたことが記載されます。

 

まとめ

申告が近づいてきたときにとどく「確定申告のお知らせ」がどんなものか、みてきました。

これにのっている情報は、基本的、かつ、重要なものです。

申告書を一目みて、パッとわかるような。

 

そのため、お知らせと違う内容で申告をすると、税務署から電話がくることもあります。

役所は、メールをつかわないので。

「○○税務署ですが…」ときくと、慣れていなければ、ギョッとするのではないでしょうか。

 

また、お知らせとちがう内容のときは、税金の計算が間違っていることもあります。

となると、申告をやり直したり、過不足を精算したり…

後日、手間も時間も、ムダにかかってしまいます。

 

確定申告のお知らせは、重要なもの…と位置付けておきましょう。

そして、もし無いようなら、最低限、今回の記事にある内容は合わせておきましょう。

手元にある領収書や届け出の控えなどにより。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。