医療費は10万円なくてもよい?

確定申告の相談員をやってきたのですが、何回か耳にした言葉があります。

「医療費って10万円ないと使えないんでしょ?」

いえ、そうとも限りません。

医療費控除の金額

さて、医療費控除の金額は、1年間に支払った医療費の合計から足切り額を差し引いた残りとなります。

この足切り額が、10万円「または所得の5%」のいずれか小さい方の金額なんです。

ですから、所得の5%が10万円よりも小さければ、

医療費が10万円に届かなくても医療費控除を受けられることになります。

所得はいくら?

収入から経費を差し引いた残りを所得と言います。

利益・儲けにあたる部分ですね。

事業をされている方にはなじみがあると思うのですが、

実は、給与や公的年金等からも、概算で経費にあたるものを差し引いて所得を計算します。

収入は、源泉徴収票の「支払金額」に記載されている金額になりますので、

(所得がいくつかある場合には合計しますが)

所得の5%がいくらになるか下記の表をご参照のうえ、

医療費控除の取りこぼしがないようにしましょう。

(ある程度ぴったりな数字を目指したのですが、計算式の都合で端数がある結果になり申し訳ありません…)

なお、公的年金等については12月31日の年齢が65歳以上か未満で数字が変わりますので、ご注意ください。

<給与の場合>

収入 所得 所得の5%
1,150,000円 500,000円 25,000円
1,668,000円 1,000,800円 50,040円
2,400,000円 1,500,000円 75,000円
3,100,000円 1,990,000円 99,500円

<公的年金等の場合…65歳未満の方>

収入 所得 所得の5%
1,200,000円 500,000円 25,000円
1,833,334円 1,000,000円 50,000円
2,500,000円 1,500,000円 75,000円
3,166,667円 2,000,000円 100,000円

<公的年金等の場合…65歳以上の方>

収入 所得 所得の5%
1,700,000円 500,000円 25,000円
2,200,000円 1,000,000円 50,000円
2,700,000円 1,500,000円 75,000円
3,200,000円 2,000,000円 100,000円

(注)この記事は、作成時点での法令等に基づいております。実際の適用にあたっては、事前に関係省庁・専門家等への確認をお願いいたします。