太陽光発電の売電収入に消費税はかかるのか?

  • 売電収入は消費税がかからないって聞いたけど……

 

消費税がかかるかどうかのポイントは、「事業として」行っているか、です。

基本的には消費税がかかりますが、生活に使った余りを売る場合には、消費税はかかりません。

どういう理屈になっているのか、解説します。

 

どんなものに消費税がかかるのか

法律では、次のように定めています。

国内において事業者が行った「資産の譲渡等」には、消費税を課する。

(消費税法第4条より)

 

ちなみに、「資産の譲渡等」とは、「事業として」対価を得て行われる資産の譲渡、貸付け並びに役務の提供をいいます。

 

さらに、「事業として」とは、普通イメージするであろう「商売している」ことではなく、お金をもらいながら反復、継続、そして独立して行うこといいます。

副業であっても、もらうお金がほんの少しであっても、条件にあてはまれば「事業として」となります。

ただし、個人が生活で使っているものを売る場合は、「事業として」とはなりません。

 

なお、会社は、どんな行為も「事業として」行っている、と判断されます。

 

太陽光発電の売電収入を考えるときに、ポイントとなるのは、次のとおりです。

  • 事業して行っているかどうか

 

個人だと?

太陽光発電した電気を売る方法には、次の2通りがあります。

  1. 全量売電……作った電気を自分では使わずに、すべて売る
  2. 余剰売電……作った電気を自分で使い、余った分を売る

 

全量売電の場合

この場合は、電気を作って売る事業者となります。

また、反復・継続して行うため、「事業として」行っていることになり、消費税がかかります。

 

むしろ、全量売電の場合、もとを取れるのか?という疑問が残ります。

この点を納得しているのなら、太陽光発電の導入初年度は、消費税の申告をすることにより還付が見込めます。

初年度から3年間は、消費税の申告を続けなければなりませんが。

 

余剰売電の場合

自分の生活に使った余りを売るのであれば、「事業として」行うものではありませんので、消費税はかかりません。

 

もし、自宅の一部を貸していたり、仕事場にしている場合は、すべてを生活に使ったとは言えません。

なので、生活に使った分がいくらかを、使っている時間や面積、コンセント数などから求める必要がでてきます。

 

売電収入のすべてに消費税がかからないのなら、還付を受けるための申告もできませんが、一部でもかかるなら、他の収入との兼ね合いで、消費税の還付を受けられないか検討してみましょう。

 

なお、インボイス制度との関係で、免税だと買取価格が下がるんじゃないかという心配があります。

この点については、「インボイスの登録がなくとも、現行の買取価格が変更されることはありません」と経済産業省:資源エネルギー庁のホームページで記載されています。

ただ、これはこの記事を書いている時点でのことなので、将来に導入を検討する場合は、確認が必要です。

 

会社だと?

会社の場合は、すべての行為が「事業として」行うものと判断されるため、全量売電でも余剰売電でも、消費税がかかります。

 

まとめ

太陽光発電の売電収入に消費税がかかるかどうかを解説しました。

基本的にはかかるのですが、個人が生活に使った余りを売る場合には、消費税はかかりません。

「事業として」行うものではないからです。

 

今のところ、インボイス登録しなくても買取価格は変わりませんが、今後、導入する場合は、消費税のことも確認してから検討しましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいております。