先にお金のことを考えるのは遠回り
お金は、お金以外のものから生まれます。
お金をもたらす相手にとっての価値はどんなものか…と考えてみましょう。
値段が見つからない
インターネットで、モノやサービスを探すことってあると思います。
いろいろ調べながら、やっと良さそうなものを見つけ、そのサイトもじっくり見てみる。
でも、なかなか値段が見つからない。
値段がなかなか見つからないこと。
これって、じつは売るテクニックの一つなんだそうです。
値段のまえに、そのモノやサービスの説明を、なるべくじっくり読んでもらう。
すると、それらの価値がわかった状態で、値段を見ることになります。
もし、先に値段を見てしまうと、その値段と比べるものはなにか。
それは、世間の相場や、すでにもっている先入観などです。
値段と、そのモノやサービスを純粋に比べられないことになるわけです。
だから、値段は先に見せず、いろんな説明などを読んでもらった後にする。
そうすれば、より価値を伝えやすくなるし、より納得して買ってもらうことができる。
「思っていたのと違うから、やっぱり返品したい」というクレームも、避けられるかもしれない。
という理屈に立ったうえでの仕組みなんだそうです。
先にお金のことを考えるのは遠回り
事業をするからには、「お金が必要」「お金が欲しい」という目的も当然あります。
でも、先にこうした気持ち、つまりお金があると、かえってお金は遠ざかるような。
というのも、お金の前には「売る」というステップがあるからです。
売るためには、相手に「欲しい」と思ってもらわなければなりません。
そして、欲しいと思うからには、理由もあります。
「なぜ、それが欲しいのか」
出来なかったことが、出来るようになるから。
知らなかったことが、分かるようになるから。
悩んでいたことが、解消するから。
他にもありますが、これらを通じて、結局は「自分が変わる」ことにつながる。
それが、相手にとっての価値なわけです。
事業というのは、こうした「相手にとっての」価値をつたえ、相手を買いたい気持ちにさせる心理学のようなもの…といえます。
もし、その価値を伝えずに売ろうとすれば、欲しいとは思わないものを売る。
そんなことにつながる可能性もあります。
なので、なかなか売れないこともあったりするでしょう。
お金は、お金以外のものから生まれるのかもしれないですね。
なので、お金を稼ごう・商品やサービスを売ろうと思ったら、いったんはお金のことを忘れる必要があります。
先に、相手にとっての価値をかんがえ、伝えるのです。
お金のこと、売ることばかりを考えるのは、生産性がないのかもしれません。
売れないのは、相手が欲しがっていないから。
じゃあ欲しがるものは、どんな価値か。
なにか、今とは違うものが出来上がりそうな気持ちがしませんか…?
それが価値の生産です。
先にお金があると、かえってお金は遠ざかるというのは、こうした理由によります。
そしてこれは、値付けについても同じことが言えます。
値付けは誰目線か
値段を考えるときは、まず自分のことを考えます。
やっぱり黒字にしなければいけないですから。
すると、必要な利益からはじまり、もろもろの経費を積みあげて「これくらいの売上が必要」というところまで逆算をするものです。
そして、売れる数や頻度をまじえて、値段を決める。
ここまで、相手にとっての価値うんぬん…と書いてきたので、悪い方法のように思えるかもしれませんね。
でも、こうした数字は、経営者にとって最低限必要な知識ですから、大事なことです。
そして、相手にとっての価値から値段をかんがえる。
これも大事です。
でも、とても難しい。
とくにサービス業なら、値段なんて、あってないようなものですし。
ただ、相手目線で値段をかんがえる。
この過程では、自分の商品やサービスを振りかえざるを得ません。
そして、もしかしたら新たな発見があり、商品やサービスが変えられるかもしれない。
すこし、自分の事業がひろがる可能性を感じませんか…?
先にお金のことを考えると、かえってお金は遠くなる。
そんな考え方があることも知っておきましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。