お金は商品・サービスが売れたから増えるのではない
お金は黒字になれば増えますが、黒字になる理由を考えてみましょう。
その理由を深掘りしていけば、お金は増やしやすくなるかもしれません。
お金が増える理由になるもの
商品やサービスが売れても、赤字になれば、お金は減ってしまいます。
だから、黒字になれば、お金は増える。
でも、なぜ黒字にできたんでしょうか…?
ムダな経費や行動をなくしたり、営業に力を入れる。
先をみて経営する。
危ない橋を渡らない。
こうしたことも理由の一つかもしれません。
ただ、もっと根本的な理由は、商品やサービスに価値があるから。
分かりやすいのは、製造業や飲食業ですね。
たとえば「100円」で材料を仕入れ、加工や料理をした結果、「150円」で売れるものになる。
「100円」のものが「150円」になるのは、自分で「50円」の価値を作っているからです。
この「50円」のことを、会計では売上総利益や粗利、あるいは付加価値と呼んだりもします。
専門的な定義や計算の前提には、細かいことがいろいろあります。
なので、「自分で50円の価値をつくる行動をしていた」ことに意識を向けましょう。
それが、黒字になり、お金を増やすことができる根本的な理由になるものですから。
ムダな経費を削ったり、営業したりするのは、もちろん大事なこと。
でも、大前提としてあるのは、商品やサービスの価値。
つまり、自分で価値を作っているということ。
そして、お金を増やしやすくしたいのなら、この価値を上げればよい…ということになるわけです。
お金を増やしやすくするには
お金を増やしやすくする。
こう考えるときには、まず値上げのことを考えるかもしれませんね。
たくさん売ることも方法ですが、時間や手間、それに由来して出ていくお金も増えるというリスクを抱えることになります。
値上げできるなら、そのほうが安全といえるわけです。
でも、商品やサービスの価値が上がったからといって、値上げできる…とは限りません。
その価値には、いろんなものがあるからです。
たとえば、小売業の場合。
小売業がつくる価値には、買いやすさも含まれます。
自宅から近いところに、あるいは通勤などの経路に、お店がある。
それも価値なわけです。
また、取引先と仲良し。
これも価値といえます。
商売は、結局は人と人とのつながりですしね。
こうした価値には、ホントたくさんのものがあります。
自宅を見渡せば、きっと、たくさんのモノやサービスを受けた痕跡があるでしょう。
それらそれぞれを買ったときのことを、思い出してみましょう。
「なぜ買ったのか、なぜその相手から買ったのか」と。
それが、そのモノやサービスの価値なので、参考になるかもしれません。
と、話がすこしズレましたが、価値によっては、値上げにつながらない価値もあるわけです。
立地や人間関係だけでは、値上げするのは難しいこともある。
買うほうが我慢することもあるし、同業のかたもいますしね。
値上げをするからには、それでも買ってもらえるだけの価値が必要なのです。
となると、カギになるのは「欲しい」と思ってもらえるかどうか。
相手が欲しいものであることは、大前提。
ただ、同じものが並んでいれば、やっぱり安いほうが売れるのが道理です。
同じではなく、違うもの。
そんな価値を作る必要があるのです。
そのときには、自分にしかできないこと。
これをヒントにしてみるのは、いかがでしょうか。
やっぱり、人間はそれぞれ違うものだと思います。
おなじ過去を持っている人はいませんし。
その過去をふまえれば、今だって当然違うものになる。
もちろん、その今をふまえた将来も。
たとえ小さくても、きっと違いはあるはずです。
それが、自分にしかできないこと。
ふだん会話していたり、本を読んだり、テレビを見たり、歩いている人を眺めたりする。
そんなときに、なにか自分とは違うな…と感じることってあると思います。
それも、自分にしかできないことのヒントです。
自分は、ほかの人と何がどう違うのか。
そう考えることが、商品やサービスの違いにつながります。
もしかしたら遠い道のりかもしれませんが、始めなければ着かないことも意識しましょう。
まとめ
お金が増える根本的な理由になるものは、商品やサービスの価値です。
そして、その価値が高いほど、お金は増やしやすくなります。
価値の高さを左右するのは、ほかとの違い。
自分は、ほかの人とどう違うんだろう。
こう考えることから始めてみましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。