経営数字が分からないと出てくる症状3選
数字が苦手・分からない…といったことは、会話や行動にあらわれます。
それを補うための気持ちの持ちかたについても、確認しておきましょう。
経営数字が分かるとは
事業において、数字は必ずでてくるもの。
事業の目的の一つでもあるお金が、数字であらわされるからです。
その数字、つまり経営数字が分かるというのは、自分の行動の結果を、数字に換算できるということ。
その行動とは、たとえば経費です。
経費とは、「○○した」ことをあらわすものなので。
いっぽう行動の結果とは、売上とも感じられますが、基本的には利益や増えたお金のことです。
これらは、仕入や人件費などの経費をかけるという行動があったから、手にすることができるもの。
「○○したから、△△になった」
こうした因果関係が、損益計算書にあらわれているのです。
その因果関係とは、つまり「自分の事業がどう成り立っているか」ということ。
まずは、このことを数字で把握できることが、経営数字が分かるということなのです。
そしてさらに、行動を変えるとどうなるかが数字で予測できる。
頭の中にある想像などを、数字に置きかえることができる。
経営数字が分かっていれば、こうしたことにもつながっていきます。
いっぽうで、経営数字が分からないとどうなるか…?
経営数字が分からないと出てくる症状
経営数字が分からないと、次のような症状がでてきます。
- 数字で考えなくなる
- 目的がズレてしまう
- 理由がズレてしまう
数字で考えなくなる
経営数字は、複式簿記によってつくられます。
その複式簿記は、慣れないと分かりづらいもの。
分からないまま放置してしまうことだって、十分あり得ます。
すると、たとえば次のようなことも。
- とりあえず、お金があるなら良し(どんぶり勘定)
- 「こんなに税金が高いのか」と決算になってからビックリする
- 自分の会社の経費を立て替えるのは、当たり前のことだと思っている
これらは、先を見ていないからでてくるものです。
数字で考えないので。
数字で考えるとは、先々どうなるかを数字でイメージすることですから。
でも、数字が分からないとは、分からないままストップしている状態ともいえます。
いずれ分かるようになる可能性だって、もちろんある…と。
どんな経営者も、事業を始めたときは、いろんなことを思っていたはずです。
そうしたことを、振り返ってみましょう。
そして、より具体的な数字にすると、どんな風になるのかと。
ここを練り込むことが、数字が分かるようになるための出発点です。
動機がなければ、行動もできないですから。
その動機がハッキリすればするほど、数字が分かるようになるための行動にも近づくはず。
数字が分からないのはマズい…というのは、いざ事が起こってから、実感したりするものです。
そうならないように、用心しておきましょう。
目的がズレてしまう
事業の目的は、お金を稼ぐこと。
これは、利益を出すことでお金を増やす…と言い換えられます。
たとえば、「年商○○億円」とか「資本金○○億円」。
こうした言葉をみたとき、「すごいな…」なんて思っていないでしょうか…?
これらは、目的ではありません。
目的は、利益とお金。
どんなに売上、つまり受注額が高くても、それ以上の経費がかかってしまえば赤字です。
売上を目指すのか、利益を目指すのか。
ここのズレは、おおきなマイナスの結果となって跳ね返ってくることがあります。
事業の目的は、お金だけではありませんが、売上や規模が目的だとは思わないようにしましょう。
理由がズレてしまう
数字が分からないと、「いま問題がないなら良し」という傾向になりがちです。
先々のことを考えるにも、数字があるていど分かっていないと、ハードルは高めですから。
たとえば、「必要だから」とか「しょうがないから」といった理由でお金をつかってしまう。
こんなことってないでしょうか…?
これらの中には、ときに使ってはいけないお金がふくまれていることがあります。
この「使ってはいけない」というのは、先を見ているから分かるもの。
数字が分からないと、見えてこないものでもあるのです。
もし、いつかお金が足りなくなりそう…ということが見えていたら、必要でもしょうがなくても、お金は節約すべきもの。
代わりに、自分でやったり、頭をひねってなんとかすべきところです。
事業においてお金を使うのは、基本的には利益を出すためです。
赤字にならないことが分かっているなら、趣味的なことがあってもよいとは思いますけれどね。
お金をつかう理由の先に、利益がみえているか。
すると、お金を使うのが怖いと思えることもあります。
いっぽう、数字が分からないと、怖さを知らず、根拠のない自信をもってしまう。
こんなことにもつながります。
お金をつかう理由は、基本的には利益のため。
そうでない場合であっても、赤字にはならない確信を持っておきましょう。
まとめ
数字が分からないと、数字からは遠ざかりがちになってしまうものです。
すると、数字で考えなくなる・目的や理由がズレてしまうといった症状があらわれてきます。
事業において、お金との付き合いは避けて通れません。
目的でもありますしね。
そして、できれば上手く使いたいもの。
そのお金が数字であらわされる以上、数字ともつきあっていく覚悟はもっておきましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。